更新日:2023/11/30
起業や新会社を設立する際には、借りている事務所の住所を利用して法人登記をするケースが多いです。
貸事務所であれば法人登記を妨げられることはほぼありませんが、レンタルオフィスの場合は注意が必要です。施設によっては、登記が認められていない可能性があります。
この記事では、レンタルオフィスで法人登記を考えている方に向けて、
・利用するメリット
・施設の選び方
・法人登記の手順
などを解説します。
法人登記にあたりレンタルオフィスの利用を検討している方にとっては、有益な情報です。ぜひ最後までご覧ください。
1.レンタルオフィスの法人登記可否は施設によって異なる
2.レンタルオフィスで法人登記をする3つのメリット
2-1.費用を抑えられる
2-2.都市部の住所を登記先に指定できる
2-3.自宅住所を公開する必要がない
3.法人登記を踏まえたレンタルオフィスの選び方3選
3-1.法人登記が可能か
3-2.事業のブランディングや来客頻度にあっているか
3-3.貸事業者の廃業のリスクは低いか
4.レンタルオフィスで法人登記をする3つのステップ
ステップ1.レンタルオフィスを契約する
ステップ2.定款を作成して認証を受ける
ステップ3.法務局で法人登記の手続きをする
1.レンタルオフィスの法人登記可否は施設によって異なる
レンタルオフィスでの法人登記の可否は、一概に言えません。施設によって見解が異なるためです。
とはいえ、法人登記可能なレンタルオフィスは多い傾向にあります。
一方、登記ができない施設は、自社ビルではなく転貸でレンタルオフィスを運営している施設に多く見受けられます。ビルの所有者が利用者の法人登記を認めていない場合、その施設では登記ができません。
「レンタルオフィスを借りたのに法人登記ができなかった」とならないよう、事前のチェックをおすすめします。公式サイトを確認したり、実際に問い合わせたりしましょう。
2.レンタルオフィスで法人登記をする3つのメリット
レンタルオフィスでの法人登記には、主に以下3つのメリットがあります。
- 費用を抑えられる
- 都市部の住所を登記先に指定できる
- 自宅住所を公開する必要がない
「レンタルオフィスを契約するか迷っている」「貸事務所との違いを知りたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
2-1.費用を抑えられる
レンタルオフィスは、貸事務所に比べると初期費用やランニングコストが低い傾向にあります。
たとえば、貸事務所を借りる際には、初期費用が100万円以上することも少なくありません。しかし、レンタルオフィスであれば、10万円前後で契約できます。
月額の利用料も、レンタルオフィスのほうが安価です。加えて、共益費や光熱費などの貸事務所にかかる費用も不要です。
経営を安定させるには、できるだけ支出を抑える必要があります。赤字のリスクを低くできるレンタルオフィスは、スタートアップにおすすめです。
なお、レンタルオフィスと貸事務所の違いは、以下の記事にて詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
>>レンタルオフィスと貸事務所の違い6選!メリット・デメリットや向いているケースを解説
2-2.都市部の住所を登記先に指定できる
レンタルオフィスは、ビジネス街や繁華街などの人が多く集まる場所に位置しています。そのため、都市部の住所を利用して登記をおこなえます。
「都市部に法人を設立できる企業」とみなされれば、ビジネスで有利に働く可能性が高いです。たとえば、他企業から信頼されたり、取引先が増えたりするケースが考えられます。
「費用を抑えつつ都市部の住所を利用したい」と考えている方は、ぜひレンタルオフィスでの法人登記を検討してみてください。
2-3.自宅住所を公開する必要がない
レンタルオフィスで法人登記をすれば、自宅の住所を公開しないですみます。そのため、プライバシーを確保できるのがメリットです。
国税庁の法人番号公表サイトを活用することで、会社名や登記先住所などを誰でも検索できます。つまり、自宅を登記先に指定すると、自宅の住所を簡単に調べられてしまうということです。
安全面を確保するためには、レンタルオフィスで法人登記をおこないましょう。
3.法人登記を踏まえたレンタルオフィスの選び方3選
レンタルオフィスと一言でまとめても、さまざまな施設があります。そのため「どの施設を選べばよいかわからない」と悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
レンタルオフィスを選定する際には、以下3つのポイントをチェックしてみてください。
- 法人登記が可能か
- 事業のブランディングや来客頻度にあっているか
- 貸事業者の廃業のリスクは低いか
「レンタルオフィス選びで失敗したくない」という方は必見です。
3-1.法人登記が可能か
レンタルオフィスを選ぶ段階で法人登記の必要性が無い場合も、法人登記が可能なレンタルオフィスを選びましょう。
事業を進めていくと、以下のシーンに出くわす場合があります。
・事業が好転し、法人成りや新法人を設立することになった
・節税や財務の観点から分社化の必要に迫られた
・銀行融資や採用活動にあたり、信用力を増すために法人設立が必要になった
このような事態が起きた際に、現在利用している施設で法人登記ができないのは不便です。
また、改めてレンタルオフィスを探すのには、手間がかかります。
レンタルオフィスを選ぶ際は、将来を見据えて法人登記可能な施設を選びましょう。
3-2.事業のブランディングや来客頻度にあっているか
事業によっては、拠点の住所がブランディングの一部を担うことがあります。
たとえば、一等地で法人登記をすることで、取引先から信頼されるケースが考えられるでしょう。
また、立地によって、来社のしやすさは異なります。来客頻度が多いのであれば、主要駅や乗り換えのしやすさなどでレンタルオフィスを選びましょう。
3-3.貸事業者の廃業のリスクは低いか
レンタルオフィスは、ビルの一室を借りるという従来の貸事務所とは異なるサービスです。「事業者が運営しているレンタルオフィスの一部を間借りしている」というイメージです。
つまり、事業者が廃業すると、せっかく法人登記したレンタルオフィスは使えなくなります。
廃業のリスクが低いレンタルオフィスを探すには、事前の下調べが重要です。主に、以下の項目に該当している事業者は、経営が安定している傾向にあります。
・転貸ではなく自社ビルで運営している
・公式サイトやSNSで事業実績を発信している
・口コミの評価が高い
事前の調査をおこない、安心して利用できるレンタルオフィスを選びましょう。
4.レンタルオフィスで法人登記をする3つのステップ
レンタルオフィスで法人登記をするには、主に以下3つの手順を踏みます。
- レンタルオフィスを契約する
- 定款を作成して認証を受ける
- 法務局で法人登記の手続きをする
これから法人設立を考えている方は、ぜひチェックしておきましょう。
ステップ1.レンタルオフィスを契約する
まずは、住所を借りるために、レンタルオフィスを契約しましょう。この段階では、法人ではなく個人事業主として契約することになります。
手続きの内容や準備物は、施設によって異なります。そのため、あらかじめ以下の項目を確かめておくと安心です。
・準備物(印鑑や本人確認書類など)
・料金の支払い方法
・契約に要する時間
レンタルオフィス事業者の公式サイトをチェックしたり、実際に問い合わせしたりして確認しましょう。
ステップ2.定款を作成して認証を受ける
レンタルオフィスを契約したら、法人登記に必要な手続きします。まずは定款の作成です。
定款とは、会社の基本的な規則を記した書類です。主に、法人名や事業の目的、本店の所在地などを記載します。
定款が作成できたら、本店所在地と同一都道府県の公証役場で認証を受けます。たとえば、大阪市内のレンタルオフィスで法人登記するのなら、大阪府内の公証役場に行きましょう。
ステップ3.法務局で法人登記の手続きをする
定款の作成や認証が完了したら、法務局にて法人登記の手続きをおこないましょう。
手続きには、登記申請書や定款、印鑑届出書などの提出が必要です。
ただし、法人の形態や現物出資の有無によって、準備する書類が異なります。そのため、法務局に足を運ぶまえに、持参物について確かめておきましょう。
不明点があれば、法務局に直接問い合わせることをおすすめします。
事業拠点を移すということは、本当に手間暇がかかるものです。費用もかかります。
事業の急拡大で移動する場合は仕方ないですが、可能であれば長期的に事務所や住所を利用したいと思います。
ぜひ、本コラムを参考にして、安心して利用できるレンタルオフィスを探してみてください。
なお、当メディアを運営しているコモンルームでは、大阪と京都でコワーキングスペースと共にレンタルオフィスを提供しています。見学は随時受け付けているので、気軽にお問い合わせください。
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