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「コワーキング」っていいね!

2013.12.28 中津

コワーキングアドベントカレンダー2013に参加しています。群馬県のコワーキングスペース・田舎フェの龍野さんからバトンを受け取りました。

コワーキングスペースをなぜ始めたか?

去年の今頃、私は次男の育児休暇中でした。「コワーキング」という言葉も知りませんでした。2012年2月頃、育児休暇後に「会社の新規事業の1つとして、コワーキングスペースを企画設計~立ち上げまで担当する」ことに決まりました。会社の本業は、業務用加湿器や空気清浄器、オゾン脱臭機の設計から開発、製造、販売、保守まで手掛ける建築設備業です。関連会社の所有する不動産の管理・運用業務も行っており、その一環として、大阪中津のビル2フロア(各94㎡)の空室を利用して、「遊び心のある新しいスペース」を開くことになりました。

コワーキングとは?

Wikipediaによると、

  • コワーキング(Coworking)とは、事務所スペース、会議室、打ち合わせスペースなどを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルを指す。…コワーキングは独立して働きつつも価値観を共有する参加者同士のグループ内で社交や懇親が図れる働き方であり、コスト削減や利便性といったメリットだけではなく、才能ある他の分野の人たちと刺激し合い、仕事上での相乗効果が期待できるという面も持つ。

Coworking Wikiによると、

  • The idea is simple: independent professionals and those with workplace flexibility work better together than they do alone.

専門のスキルを持った独立事業者、フリーランスの人たちが、1人で働くよりも、空間を共有して一緒に働く方が良い結果が生まれる!ということです。
「コワーキング」について知った当初は、簡単なようで難しいような、わかったようでわからないような、そんな印象でした。

個性的な「コワーキングスペース」運営者たち

生後9ヶ月の次男を連れて、人生初のコワーキングスペースを訪れました。大阪十三にあるJUSO coworkingです。店主の周代さんとは、小さい子持ちママ同士ということもあり、話も盛り上がり、またコワーキングスペースについてとても親切に教えて頂き、「コワーキングスペースって良いところだな」と感じました。後に、深沢夫妻には、コモンルーム中津のWebサイトを制作してもらうことになります。

日本で最初のコワーキングスペース、カフーツの伊藤さんを訪れた際には、コワーキングにまつわる熱いトークをお聞きすることができました。高いスキルを持った人達が、フリーランスとして活動する際に、何とかして良い待遇で生活していけるようにしたい!と語っている姿に、熱意を感じました。

PAX Coworkingの佐谷さんは、著作「つながりの仕事術 コワーキングを始めよう」で、「パーティーするように仕事しよう!」と書かれています。「レンタルオフィス」と「コワーキングスペース」の違いについてお話を聞いていた時に、「隣に座っている知らない人に、話しかけてOKな雰囲気かどうか?」という話になりました。「コワーキング」という言葉が流行し、一人歩きしつつありますが、この観点はその場所が「コワーキングスペース」かどうかを見分ける、1つの重要な要素だと思っています。

電源を使えるカフェで仕事をする場合は、「ノマドワーク」であっても「コワーキング」では無いといえます。個性的で魅力的な、コワーキング運営者さん達にお会いして、「コワーキングスペース」は場所だけでなく、「人」と「人」をゆるやかにつなぐスタッフの役割が、とても重要だと感じました。

一方で、「コワーキングスペース」というのは、運営者の思いが強くなりがちだとも感じています。利用者にとっては、カフェでも図書館でもレンタルオフィスでも、自分のやりたい行為が快適にできれば、どこでも良いかもしれません。集中して仕事をしたいときに、話している人が近くにいて気が散ってしまう!と思うかもしれません。そして、私がそうだったように、「ノートパソコンを持っていないと行きづらい」と思ったり、「コミュニティが完成している場所には入りにくい」と感じる人もいるかもしれないと思いました。

コモンルーム中津ができるまで

2012年9月に「コモンルーム中津」をオープン。
「コモンルーム」とは、大学等の 談話室、休憩室、休憩室、溜まり場という意味です。大阪中津に、仕事や勉強をする人々が気軽に集まるスペースができたら良いな、という思いが込められています。

コモンルーム中津では、2階のフロアをコワーキングスペース、3階をメンバー専用の固定席を設けたシェアオフィスと、貸会議室にしています。
スタッフ滞在時間内には、コワーキングスペースを予約無しで一時利用したり、貸会議室を利用することも可能、集中して作業したいときは3階のシェアオフィス、リラックスしたり誰かと会話したいときは2階のコワーキングスペースで、といった使い分けができるようにしています。

コモンルーム中津スタッフは、特にITの技術に長けている訳ではありません。
代表の寺西は、建築・インテリアの仕事をしてきたママ会社員です。そのため、コモンルーム中津は、無垢フローリングを利用していたり、カラフルで快適なチェアが採用されていたり、畳コーナーがあったり、マイホームのようなゆっくりくつろげる空間になっています。店長の中村さんは、長く自転車屋の店長を務めてきた人で、ちょっと人は違った面白い人生を送ってきています。

この2人がメインとなって、コモンルーム中津に来た人が、気持ちよい時間を過ごしてもらえるように、気を配っています。また、気軽に訪れるきっかけになるような多様なジャンルのイベントを企画しています。「コワーキング」にとって重要なのは、リアルに仕事や勉強をする場を共有することによって、ゆるやかなつながり、コミュニティが発生することだと感じています。その「つながり」を良い形で作っていけるよう、努めていきたいと思っています。

コワーキングの今後

コワーキングスペースは、現代の「私塾」のようなものだと感じてます。不安定な世のなか、何を頼りにすれば良いかも不確定。そんななかで、学びへの情熱とか、使命感とか、何らかの思いを胸に人々が集まってくる。学校や組織といった一定の枠にはまらず、参加者の個性や自発性によって活動が行われる。そんな印象をもっています。コワーキングスペースで出会う人のつながりは、新しい「仕事仲間」「同僚」のかたちだと思っています。

現在の「コワーキングスペース」は、「カフェ」風のスペース、「コミュニティセンター」風のスペース、「誰かの仕事場」風のスペース、広くてテーマパークのようなスペース…など多様であり、それぞれ特徴的です。まだまだ、「コワーキング」の認知度は低いと感じていますが、より多くの人が色々なスペースを訪れてみて、その人に合った場所を見つけて欲しいと思います。

Ideas worth spreading(広める価値のあるアイデア)という言葉があります。

今後は、なにかで成功した人がコワーキングスペースを開設して、お金を出すだけでは無くて、定期的にスペースを訪れてくれる。良いアイディアは、どんどん共有して、オープンにすることで多くの人がお互いに成長し合っていく。そういったスペースが、将来増えると良いなと思っています。
幅広い種類の人と出会い、人生を豊かにしていくことが、コワーキングスペースの魅力だと感じています。

以上、コモンルーム中津代表・寺西のつぶやきでした!

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!!

これで、コワーキングアドベントカレンダー2013は終了ですが、コワーキングスペースに関わる全ての人たちにバトンを渡したい思いです。

皆さま、良い年末年始をお過ごしください。
2014年も素晴らしい年になりますように!